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頭痛学 総復習

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先日、第76回横浜内科学会神経研究会が開催されました。緊急事態宣言下で、WEB配信Teamsで行いました。今回は私が当番幹事をさせていただきましたので、頭痛診療の師匠である、間中信也先生に私の勉強も含めて講演をお願いしました。

日々頭痛外来をしておりますと、「頭痛」という症状で受診はしますが、幅広い原因があり、適切な診断をしなければ、治療もうまくいきません。今回、間中先生には、上記タイトルで、頭痛診療に従事している横浜・神奈川の先生方向けに講演いただきました。以下、いくつか紹介します。

●頭痛診療で見逃してはならないred flagとして、くも膜下出血に注意(Walk-in SAH 歩いてくるくも膜下出血)。他にも、怖い二次性頭痛があります。共通の特徴として、突然、初めて、改善しない、などがあり、注意が必要です。

●一次性頭痛は片頭痛・緊張型頭痛・三叉神経自律神経性頭痛(TACS 群発頭痛など)の3つが有名ですが、国際分類には、第4群としてのその他の一次性頭痛が10項目あります(下スライド 間中信也先生提供)。それぞれに、治療法や対策が変わります。

●片頭痛もちの方の脳の特徴として、「過敏性」Migrainous brain(片頭痛脳)があり、以下の特徴があります(下スライド 間中信也先生提供)。片頭痛の発生メカニズムにおけるCGRPという物質。近いうちに抗CGRPモノクローナル抗体治療薬が登場する予定です。現在の予防薬に強い味方が加わります。

●三叉神経痛 帯状疱疹後神経痛 などの神経痛には、神経障害性疼痛治療薬(タリージェなど)が有効な場合があります。

●可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)の特徴にも言及されました。突然の頭痛もちとなり、入浴・労作・感情変化によりスイッチの入る雷鳴頭痛を繰り返します。最初の1か月は頭痛期 次の1か月は血管攣縮期(出血や梗塞になることがある)おおむね2-3か月で自然に改善しますが、脳動脈瘤破裂などによる卒中red flagsは常に念頭に置く必要があります。

●新型コロナウイルス(SARS CoV 2)に関わる頭痛に関し、以下のスライドを提示されました。

●薬物乱用頭痛(MOH)への配慮と、その治療法。頭痛タイプ分類の正確な診断および治療効果判定のために頭痛ダイアリーは必須です。また、頭痛ダイアリーは、患者さん自身が自分の症状特徴に気付いたり、認知行動療法的効果の期待もあります。

 

 

この記事の執筆者

院長 日暮 雅一 ひぐらし まさかず

院長日暮 雅一 ひぐらし まさかず

略歴

1999年 横浜市立大学医学部 卒業
横浜市内複数の基幹病院で修練
2005年 小田原市立病院 
脳神経外科主任医長
(2005年度 脳神経外科部長代行)
2009年 横浜市立大学大学院医学研究科
脳神経外科助教
(2011年度 脳神経外科教室医局長)
2012年 Australia Macquarie大学留学
医工連携学research fellow
2014年 新緑脳神経外科・
横浜サイバーナイフセンター医長
2016年 ほどがや脳神経外科クリニック開設
2019年 医療法人社団 正念 設立

資格

  • 医学博士(神経薬理学)
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本頭痛学会専門医/指導医
  • 日本脳卒中学会専門医/指導医
  • 日本認知症学会専門医/指導医
  • 認知症サポート医
  • 日本医師会認定産業医
  • 身体障害者福祉法15条指定医(肢体不自由 言語咀嚼)
  • 難病指定医
  • 自立支援指定医療機関(てんかん)

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