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しびれ外来

しびれ外来の担当医

  • 村田医師
  • 大橋医師
  • 佐藤医師

しびれとは

しびれとは、ないはずの感覚が出現する(陽性症状)、「じんじん」「びりびり」などの感覚を伴うことが多いです。正座を続けたときなど血行を遮るような動作や姿勢をすることで、手足がしびれてしまうことはよくあります。一方、このような姿勢や動作をしていないのにも関わらずしびれが起こっている場合は、神経の伝達経路に障害が起こっていることが原因として考えられるため、当院までご相談ください。


こんな症状はありませんか?

  • 手足の先端が「じんじん」「びりびり」する感覚があり、続いている(感覚異常)
  • 熱さや冷たさを感じにくくなっている(感覚低下)
  • ちょっとした刺激でも強い刺激として感じる(感覚過敏)
  • 手足に力が入らなかったり、うまく動かせなかったりする(運動麻痺)

しびれの検査

しびれの検査では、患者様の姿勢や歩行、座る動作などを観察し、神経学的診療法を用いて障害の程度としびれの原因を見極めます。それに加えて、しびれの原因となる可能性のある部位の画像検査や血液検査を行い、詳細を調べます。


しびれの原因

しびれの原因は、多くの場合は、脳や脊髄、末梢神経といった神経伝達経路のどこかにダメージが加わることです。胸郭出口症候群・肘部管症候群・手根管症候群などよくあるトラップ場所があります・神経伝達経路のどこかにダメージが加わるのは、脳・脊髄・末梢神経の疾患の他に、血管障害を起こす内科的疾患によることもあります。また、突然に片側の手足にしびれが起こる場合は、脳卒中などの脳血管障害の発作によるものの可能性があります。

頭に原因がある場合

脳卒中(脳血管障害)

脳卒中とは、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の3つの脳疾患の総称です。脳卒中によって脳の脳幹部や視床が障害されると、片側の手足に感覚異常が起こり、しびれが生じます。脳梗塞の前触れの症状である一過性脳虚血発作が起こると、半身にしびれが起こり、数十分程続きます。その他にも、脳卒中の初期症状として「手口感覚症候群」という、片側の手掌と口角周辺部に同時にしびれが起こる症状が現れることがあります。脳卒中によるしびれは脳卒中の前触れ症状や初期症状、後遺症として起こることがあります。気が付いたらすぐに病院を受診してください。

脳腫瘍

脳腫瘍ができ、感覚神経が腫瘍によってだんだんと圧迫されると、しびれが起こり、頭痛や悪心などの症状を伴うことがあります。しびれや頭痛があり、悪心や嘔吐を繰り返す場合は、すぐに病院を受診してください。

脊椎に原因がある場合

変形性頸椎症

変形性頸椎症とは、主に加齢によって頸椎を構成している骨がだんだんと変形し、椎間板がでっぱったり、骨棘(骨のトゲ)が形成され、神経根を圧迫することで、しびれや痛み、力が入らないといった症状を起こす疾患です。神経根が頸椎で刺激されると、肘などの頸椎から離れた場所でしびれや痛みが起こります。

頸椎椎間板ヘルニア

頸椎椎間板ヘルニアとは、背骨の椎間板を構成する「髄核」と「繊維輪」のうち、「髄核」が何らかの原因で飛び出してしまって、脊髄や神経根を圧迫することで、上肢のしびれや痛み、力が入らないなどの症状を起こす疾患です。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、腰椎で椎間板ヘルニアが起こった状態です。腰椎で椎間板ヘルニアが起こると、下肢のしびれや痛み(坐骨神経痛)、力が入らないなどの症状が起こります。背骨のうち頸椎と腰椎は椎間板ヘルニアが発症しやすいです。

後縦靭帯骨化症

後縦靭帯骨化症とは、背骨の後ろを縦に走る後縦靭帯が骨化して、脊髄を圧迫することで、しびれや運動麻痺などの症状を起こす疾患です。後縦靭帯骨化症は背骨のうち、頸椎、胸椎、腰椎のそれぞれで起こる可能性があります。後縦靭帯骨化症は厚生労働省によって難病指定されている疾患です。診断されている方は一度専門医に相談してみるとよいでしょう。

末梢神経に原因がある場合

胸郭出口症候群

胸郭出口症候群とは、手や腕を司る神経や血管が「胸郭出口」という鎖骨と肋骨の間の狭い隙間で圧迫されることで、しびれや痛み、脱力感などの症状が現れる疾患です。20代に多く、首の長いなで肩の女性に発症しやすいです。

手根管症候群

手根管症候群とは、手首を使いすぎることで、正中神経が「手根管」と呼ばれる手首にある狭いスペースで圧迫されることで、手指の親指から薬指の半分までにしびれや痛みなどの症状が現れる疾患です。症状がひどくなると、物がつかめなかったり、痛みで睡眠中に目覚めてしまうなど日常生活に大きな影響が現れます。

内科的疾患が原因の場合

糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害とは、糖尿病の3大合併症の1つで、糖尿病によって血管にダメージが加わることで神経への栄養が届かなくなり、末梢神経が障害される疾患です。初期に足指がしびれる症状が起こります。

ビタミン欠乏

極度の偏食や度の過ぎたダイエット、食事の不足などによってビタミン不足になると、脚気やウェルニッケ・コルサコフ症候群などの神経障害が起こり、しびれなどの症状が起こります。


しびれでお困りの方へ

しびれは、脳や脊髄、重度の生活習慣病などの重篤な疾患によって起こることも多いため、様々なしびれでお困りの方は、お気軽に当院「しびれ外来」にご相談ください。


半身の手足がしびれている場合は、早急な受診が必要です

体の半身にしびれが起こっている場合は、脳に異常がある可能性が高いため注意が必要です。脳で起こる障害は、局所的な場合が多く、半身のしびれや痛み、力が入らないなどの異常を起こすことが多いです。ちょっとしたしびれでも、放置せずに当院までご相談ください。


しびれに関するよくある質問

しびれと麻痺の違いは何ですか?

しびれとは、「じんじん」「びりびり」といった異常な感覚が起こる状態を指します。感覚が鈍くなる、または刺激を強く感じることもあります。一方、麻痺とは、神経の障害によって筋肉を動かせなくなる状態を意味します。つまり、しびれは「感覚の異常」、麻痺は「運動の異常」という違いがあります。両方が同時に現れるときは、神経が大きく損なわれている可能性があるため、早めに医療機関を受診することが大切です。

しびれと痛みの違いは何ですか?

しびれは、感覚を伝える神経が異常をきたし、実際には刺激がないのに「電気が走るような」感覚を感じる状態です。これに対して痛みは、組織の損傷や炎症によって侵害受容神経が刺激され、脳が危険信号として認識する感覚を指します。どちらも神経が関与しますが、しびれは「感覚が誤って伝わる現象」、痛みは「身体への異常を知らせる反応」と考えると理解しやすいでしょう。

危険なしびれとはどのようなしびれですか?

危険なしびれとは、脳や脊髄に異常が生じて起こるしびれのことです。特に以下のような場合は注意が必要です。

  • 体の片側だけにしびれが出る
  • 顔のゆがみや言葉のもつれを伴う
  • 急にしびれが出て長く続く
  • 力が入りにくい、または感覚が鈍い

これらの症状は、脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)などの可能性があります。該当する症状がある場合は、迷わず救急受診してください。

手のしびれが続く場合は緊急で病院を受診した方が良いですか?

手のしびれが急に出て止まらない、あるいは顔や足など体の片側にも広がっている場合は、脳梗塞などの重大な疾患の可能性があるため、早急な受診が必要です。一方で、長時間の作業や同じ姿勢の維持などで起こる場合は、手根管症候群や胸郭出口症候群など、末梢神経の圧迫が原因のこともあります。しびれが数日以上続く、または夜間に悪化するようなら、一度医療機関での診察をおすすめします。

がんによるしびれの症状について教えてください。

がんによるしびれは、がんが神経を直接圧迫する場合と、抗がん剤の副作用で神経が障害される場合の2つが主な原因です。特に抗がん剤による「末梢神経障害」は、指先や足先のしびれ、感覚の鈍さなどが特徴です。症状が強いと治療の継続が難しくなることもあるため、早めに担当医へ相談することが大切です。

脳梗塞によるしびれの症状について教えてください。

脳梗塞によるしびれは、脳の感覚をつかさどる領域(視床や大脳皮質など)が障害されることで起こります。片側の手足や顔にしびれが出るのが典型的で、力が入りにくい、話しづらいなどの症状を伴うこともあります。これらは一過性脳虚血発作(TIA)など、脳梗塞の前兆であることが多く、早期に治療することで後遺症を防げる可能性があります。

熱中症によるしびれの症状について教えてください。

熱中症では、体温の上昇や脱水によって血液の循環が悪化し、末梢神経の働きが一時的に低下することがあります。その結果、手足のしびれや筋肉のけいれんが起こることがあります。もし、しびれに加えてめまいや吐き気、意識のもうろうなどがある場合は、重度の熱中症の可能性があるため、すぐに涼しい場所で休み、水分・塩分を補給しながら医療機関を受診してください。

しびれに湿布は効果がありますか?

しびれが筋肉の緊張や血行不良によって起こっている場合は、温感タイプの湿布を使うことで血流が改善し、症状が和らぐことがあります。しかし、神経の圧迫や脳・脊髄の異常が原因のしびれに対しては、湿布だけでの改善は期待できません。湿布を貼っても変化がない、またはしびれが広がる場合は、原因を特定するために医療機関で検査を受けることが大切です。

この記事の執筆者

院長 日暮 雅一 ひぐらし まさかず

院長日暮 雅一 ひぐらし まさかず

略歴

1999年 横浜市立大学医学部 卒業
横浜市内複数の基幹病院で修練
2005年 小田原市立病院 
脳神経外科主任医長
(2005年度 脳神経外科部長代行)
2009年 横浜市立大学大学院医学研究科
脳神経外科助教
(2011年度 脳神経外科教室医局長)
2012年 Australia Macquarie大学留学
医工連携学research fellow
2014年 新緑脳神経外科・
横浜サイバーナイフセンター医長
2016年 ほどがや脳神経外科クリニック開設
2019年 医療法人社団 正念 設立

資格

  • 医学博士(神経薬理学)
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本頭痛学会専門医/指導医
  • 日本脳卒中学会専門医/指導医
  • 日本認知症学会専門医/指導医
  • 認知症サポート医
  • 日本医師会認定産業医
  • 身体障害者福祉法15条指定医(肢体不自由 言語咀嚼)
  • 難病指定医
  • 自立支援指定医療機関(てんかん)

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