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ヘンズツウかるた

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日本イーライリリー株式会社 第一三共株式会社 主催で、片頭痛WEBセミナー in Kanagawaがありました。今年の第50回 日本頭痛学会総会 会長である 富士通クリニック 五十嵐久佳先生より、「片頭痛診療におけるチーム医療の重要性と構築のコツ~エムガルティの登場を機にチーム医療の重要性を再考する~」と題して、ご講演いただきました。

片頭痛患者さんは、健康寿命およびQOLは高度に阻害されていることが知られています(慢性頭痛GL2021 Grade A)。10歳~60歳においては、疾病負担の最も高い神経疾患が片頭痛です。片頭痛のために休むこともありabsentismと、出勤中の作業集中困難による支障度presentismもWPAI-Mスコアで高いことが示されています。子育て主婦や、家族余暇の阻害はつらいですよね。

慢性疾患のなかでも、生活習慣病は将来の卒中などに配慮して管理される一方で、片頭痛は怖い疾患を引き起こすことは少ないものの「今痛い」にフォーカスをあてて苦悩を取り去ることが治療の中心です。実際は、受診をしても適切な診断や管理をされず難民化してドクターショッピングを繰り返すかたが多くいるようです。頭痛外来を標榜していても、MRIとって異常なければ緊張型頭痛と診断してNSAIDSでフォローなしとする医療機関も多いと聞きます。五十嵐先生の初診データからは、実に男性の55.3% 女性の67.1%は片頭痛ありなのです。医師だけでなく、スタッフや薬剤師含め、頭痛診療に詳しくなって正確な診断・アドバイスを補完しあうことがチームとして診療の質を向上するうえで重要です。もちろん医師の基本姿勢としては、患者さんによりそい一緒に問題を解決していく姿勢が大切であると思いました。

記念撮影:患者さんをいつも診ている診察室で、WEBを通してきれいなお着物で登壇された五十嵐先生をお迎えして、情報交換や講演を聞けたのはとても貴重な時間でした。

CGRP関連抗体薬についてもお話いただきました。長く頭痛や周辺症状に悩まされていた患者さんは、頭痛が減るに加えスッキリするので逆にびっくりします。医師側としては、導入の際に、片頭痛の診断→支障度評価→治療ゴール設定とダイアリー確認と段取りを経る必要があります。また、頭痛医の対応の中で、患者さんの評価が高い項目は、「日常生活への影響を聞かれた」点が満足度が高いアンケート結果が示されました。

さらに、ヘンズツウかるたをお示しくださいました。片頭痛の複雑なあれこれをかるたで学ぶツールで、楽しく学べる、職場や学校でも楽しく理解できる斬新なツールと思います。待合に置きますので手に取ってみてください。また、ヘンズツウかるたの特設ホームページもございます。

https://www.henzutsu-karuta.jp/

この記事の執筆者

院長 日暮 雅一 ひぐらし まさかず

院長日暮 雅一 ひぐらし まさかず

略歴

1999年 横浜市立大学医学部 卒業
横浜市内複数の基幹病院で修練
2005年 小田原市立病院 
脳神経外科主任医長
(2005年度 脳神経外科部長代行)
2009年 横浜市立大学大学院医学研究科
脳神経外科助教
(2011年度 脳神経外科教室医局長)
2012年 Australia Macquarie大学留学
医工連携学research fellow
2014年 新緑脳神経外科・
横浜サイバーナイフセンター医長
2016年 ほどがや脳神経外科クリニック開設
2019年 医療法人社団 正念 設立

資格

  • 医学博士(神経薬理学)
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本頭痛学会専門医/指導医
  • 日本脳卒中学会専門医/指導医
  • 日本認知症学会専門医/指導医
  • 認知症サポート医
  • 日本医師会認定産業医
  • 身体障害者福祉法15条指定医(肢体不自由 言語咀嚼)
  • 難病指定医
  • 自立支援指定医療機関(てんかん)

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