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片頭痛克服に大切「我慢の楔」解放

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第一三共株式会社主催 片頭痛治療 Frontier Web セミナーがありました。医療者間の勉強会は多いですが、一般の方々が視れないので、当ブログで私の感じた要点を啓発しています。今回はいつもお世話になっている横浜市内の同業先輩である、子安英樹先生と矢崎弘人先生座長のもと、小生から前座として当院における片頭痛診療の現況報告をさせていただきました。頭痛学師範 間中信也先生より、「頭痛診療のファーストステップ~片頭痛患者さんを我慢の楔から解放できるか~」の特別講演を拝聴させていただきました。

「我慢の楔」は間中先生の言葉で、片頭痛患者さんおよび頭痛治療医において十分理解することは治療成功のためにとても大切な概念です。片頭痛患者さんは、初期段階ではドラッグストアなどの頭痛市販薬でその都度対応していきます。全員ではありませんが、経過が長くなってくると頭痛薬内服頻度が増えて常態化しても違和感を感じなくなります。気づけば頭痛薬内服が日課となってしまいます(三叉神経・血管に火事が起きては消化してが毎日おこっている状態)。この状態は、自律神経系が非常に脆弱な状態となりますので、社会適応能力も低下します(踏ん張りがきかない 作業効率が悪くなる)。つまり、頭痛があることは当たり前と諦め、困難や課題へのチャレンジにも消極的になります。間中先生より拝受したスライドを以下に示します(このスライドは以前から気になっていた私にとっての宝スライドです)。

生き物は、あらゆる局面においてこのような「学習性無力感」が発生しやすいものと考えられます。この「拘束」という精神的諦めを見直して楔を解除することにより片頭痛からの自由自在を獲得することができるというわけです。

片頭痛患者さんは、ある時、対処不能な重度な片頭痛に襲われる、あるいはふと自分を客観視した時に、「これはまずい」と気づき、頭痛外来を受診します。そこで初めて頭痛克服のノウハウ(拘束解除のノウハウ)を知ることになります。急性期治療薬トリプタンやラスミジタン、発症抑制薬各種や抗CGRP関連抗体薬など。それにより、人生の見え方が変わり、困難へのチャレンジに対して積極的になっていくものと考えられます。

 

この記事の執筆者

院長 日暮 雅一 ひぐらし まさかず

院長日暮 雅一 ひぐらし まさかず

略歴

1999年 横浜市立大学医学部 卒業
横浜市内複数の基幹病院で修練
2005年 小田原市立病院 
脳神経外科主任医長
(2005年度 脳神経外科部長代行)
2009年 横浜市立大学大学院医学研究科
脳神経外科助教
(2011年度 脳神経外科教室医局長)
2012年 Australia Macquarie大学留学
医工連携学research fellow
2014年 新緑脳神経外科・
横浜サイバーナイフセンター医長
2016年 ほどがや脳神経外科クリニック開設
2019年 医療法人社団 正念 設立

資格

  • 医学博士(神経薬理学)
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本頭痛学会専門医/指導医
  • 日本脳卒中学会専門医/指導医
  • 日本認知症学会専門医/指導医
  • 認知症サポート医
  • 日本医師会認定産業医
  • 身体障害者福祉法15条指定医(肢体不自由 言語咀嚼)
  • 難病指定医
  • 自立支援指定医療機関(てんかん)

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