TOPへTOPへ

ブログ

介護者を守る(レスパイトケア)

ブログ

三ツ境にある神奈川病院・あさひの丘病院を統括する、誠心会理事長 佐伯隆史先生と連携会をしました。佐伯先生とは、オーストラリア留学を共にした縁があります。その時お世話になった、メルボルンのGP(日本でのかかりつけ医)Collins Street Medical Center院長 Tiarni先生も来ていただきました。

認知症診療において、急に幻覚妄想状態となる「せん妄」は注意が必要です。認知症や脳卒中などで脳に傷がついていると、環境変化や脱水やかぜなどの身体変化により、「せん妄」は発生しやすくなります。興奮・介護抵抗などの陽性症状中心のものだけでなく、ぼーっとする陰性症状もあります。特に、陽性症状に傾く「せん妄」は、居宅で見ていくのには限界があり、しばしば精神科に緊急入院が必要となります。患者さん自らの安全のためもありますが、介護者が手に負えなくなり入院せざるをえなくなります。しかし、日中入院先を探すのはとても難しいのが現状です。佐伯先生には、私個人のヘルプ要請に応じて患者さんを引き受けていただき、とても助かっています。私だけでなく、介護者も安堵されます。「せん妄」は治療すればもとに戻るので、疑わしい場合はまずはご相談ください。

「せん妄」以外でも、介護者負担を軽減する手段は多くあります。レスパイトケアと呼ばれており、認知症家族の管理に行き詰っている介護者の方は、是非ご相談ください。

また、日豪関係はますます親密になっており、会社の出張や、オーストラリアから日本への赴任などの数も増加しています。Tiarni先生は、オーストラリアの主要都市の日本人GPとのつながりが強く、国境を越えての連携を構築中です。英語の診療や、オーストラリアへの赴任などでご心配がある場合は、是非ご相談ください。

この記事の執筆者

院長 日暮 雅一 ひぐらし まさかず

院長日暮 雅一 ひぐらし まさかず

略歴

1999年 横浜市立大学医学部 卒業
横浜市内複数の基幹病院で修練
2005年 小田原市立病院 
脳神経外科主任医長
(2005年度 脳神経外科部長代行)
2009年 横浜市立大学大学院医学研究科
脳神経外科助教
(2011年度 脳神経外科教室医局長)
2012年 Australia Macquarie大学留学
医工連携学research fellow
2014年 新緑脳神経外科・
横浜サイバーナイフセンター医長
2016年 ほどがや脳神経外科クリニック開設
2019年 医療法人社団 正念 設立

資格

  • 医学博士(神経薬理学)
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本頭痛学会専門医/指導医
  • 日本脳卒中学会専門医/指導医
  • 日本認知症学会専門医/指導医
  • 認知症サポート医
  • 日本医師会認定産業医
  • 身体障害者福祉法15条指定医(肢体不自由 言語咀嚼)
  • 難病指定医
  • 自立支援指定医療機関(てんかん)

詳しくはこちら