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前頭側頭葉変性症

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日本認知症学会教育セミナーがありました。認知症は、精神科や神経内科の先生が多い印象ですが、年々脳神経外科の先生方の参会が目立つようになっています。特にMRI完備の脳神経外科クリニックの先生方が増えています。脳神経外科医は、病院勤務時代は手術に専念します。しかし、開業すると多くの患者さんが「もの忘れ」の精査で脳神経外科クリニックを受診するため、認知症診療のファーストラインに立ちます。

さて、今回のセミナーでは、以前より楽しみにしていた、池田学先生の前頭側頭葉変性症の講演がありました。写真は、自身の経験した意味性認知症(前頭側頭葉変性症のひとつ)の患者さんです。海馬を含む側頭葉の萎縮があるため、VSRADという海馬の萎縮度を測るMRIで、異常値がでます。食行動や常同行動などの特徴的な所見に気付かないと、誤ってアリセプトなどの抗認知症薬を出し、かえって興奮・介護抵抗が増えます。有病率が少ないですが、もの忘れ外来には確実に含まれていますので、常に念頭におくことが大切です。

この記事の執筆者

院長 日暮 雅一 ひぐらし まさかず

院長日暮 雅一 ひぐらし まさかず

略歴

1999年 横浜市立大学医学部 卒業
横浜市内複数の基幹病院で修練
2005年 小田原市立病院 
脳神経外科主任医長
(2005年度 脳神経外科部長代行)
2009年 横浜市立大学大学院医学研究科
脳神経外科助教
(2011年度 脳神経外科教室医局長)
2012年 Australia Macquarie大学留学
医工連携学research fellow
2014年 新緑脳神経外科・
横浜サイバーナイフセンター医長
2016年 ほどがや脳神経外科クリニック開設
2019年 医療法人社団 正念 設立

資格

  • 医学博士(神経薬理学)
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本頭痛学会専門医/指導医
  • 日本脳卒中学会専門医/指導医
  • 日本認知症学会専門医/指導医
  • 認知症サポート医
  • 日本医師会認定産業医
  • 身体障害者福祉法15条指定医(肢体不自由 言語咀嚼)
  • 難病指定医
  • 自立支援指定医療機関(てんかん)

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