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アジョビ update (相模原/厚木地区)

ブログ  / 頭痛

大塚製薬主催、AJOVY Specialist Forum in Kanagawa がありました。今回は、一緒に頭痛の勉強会を多くしている えびな脳神経クリニック 院長 岩田智則先生 座長 のもと、日本の頭痛学の中核の一つである北里大学医学部 脳神経内科学 准教授 北村英二先生と、小生で講演をいたしました。ディスカッションでは、頭痛診療の大御所である、第二川崎幸クリニック 脳神経外科 安江正治先生にもWEB参加いただき、①アジョビの効果持続性(長期間効力を発揮する点)②抗CGRP関連抗体薬使用のインフォームドコンセント(現状把握と必要性の説明)+SDM(共同意思決定)について議論しました。

北村先生からは、多くの最新の頭痛エビデンス・予防薬の話題をご教授いただきました。
日暮が拝聴して学んだポイントをいくつかご紹介したいと思います。
<急性期治療薬に関して>
トリプタン製剤は、血管収縮作用を有するため、心・脳血管障害を有する患者には使用不可であり、ラスミジタンを検討
薬物乱用マウスでの、ジタン、ゲパント(上市予定)のMOHのリスク評価では、疼痛閾値の低下、三叉神経のCGRP発現増加などがみられ、薬物乱用頭痛MOHを来す可能性があり、やはり飲みすぎ注意
<CGRP関連抗体薬 CGRPmAbに関して>
・CGRPmAbは3つあるが、最近報告されたデータでは、頭痛日数や支障度評価では差がない(どれも有効)
・CSD(皮質拡延性抑制)への影響、BBB(血液脳関門)通過の可能性、に関してはまだ不明である
フレマネズマブ(アジョビ)に関しては、頭痛だけでなく、片頭痛随伴症状(悪心・嘔吐、光/音過敏)にも改善効果あり
・有効な素因として、頭痛が片側性 頭痛日数が少ない MIDAS低点数 うつ病合併なし 高齢
<片頭痛の病診連携>
静岡市医師会の事例(静岡赤十字病院 今井昇先生)として、慢性頭痛連携システム 頭痛連携専門医が紹介された

小生からは、以下の要点をお話させていただきました。

安江先生にfacilitatorいただいたDiscussionにおいては、
① CGRP製剤の効果持続性​
② CGRP製剤のICとSDMについて 意見交換しました

最後に、岩田先生と、北村先生を囲んで(^^)/

この記事の執筆者

院長 日暮 雅一 ひぐらし まさかず

院長日暮 雅一 ひぐらし まさかず

略歴

1999年 横浜市立大学医学部 卒業
横浜市内複数の基幹病院で修練
2005年 小田原市立病院 
脳神経外科主任医長
(2005年度 脳神経外科部長代行)
2009年 横浜市立大学大学院医学研究科
脳神経外科助教
(2011年度 脳神経外科教室医局長)
2012年 Australia Macquarie大学留学
医工連携学research fellow
2014年 新緑脳神経外科・
横浜サイバーナイフセンター医長
2016年 ほどがや脳神経外科クリニック開設
2019年 医療法人社団 正念 設立

資格

  • 医学博士(神経薬理学)
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本頭痛学会専門医/指導医
  • 日本脳卒中学会専門医/指導医
  • 日本認知症学会専門医/指導医
  • 認知症サポート医
  • 日本医師会認定産業医
  • 身体障害者福祉法15条指定医(肢体不自由 言語咀嚼)
  • 難病指定医
  • 自立支援指定医療機関(てんかん)

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