片頭痛発作抑制におけるアジョビの優位性
大塚製薬e講演会がありました(500名を超える参加をいただきましてありがとうございました)。今回は、お話が楽しく分かりやすい、昭和医科大学医学部 内科学講座 脳神経内科部門 講師 笠井英世先生でした。片頭痛の難しいところを、比喩を駆使して患者さんにイメージをお伝えしたいという思いを強く感じました。
●頭痛診療のすすめ(医師へのメッセージ)
頭痛診療は、医師にとって(いのちにかかわらないので)軽視されがちで、話し合うことが多く敬遠されることがあると思います。特に初診は時間がかかります。
まずは、片頭痛かその他かの判断→片頭痛の場合の屯用薬の適切な内服タイミング指導
頻度が多いあるいは1回が重度の場合、予防療法が重要:4つの従来内服薬 + 抗CGRP薬
HIT6スケールを診療で患者さんにアンケートいただきますが、56点以上は重症である
MIBS4という頭痛と頭痛の間(間欠期症状)も評価することが一般的 高値の場合はCGRP予防薬を使う
これらの数字・ダイアリーなどで客観的に自分の支障をみることで「私って重症なんだ」と自覚してもらう
そこで、頭痛医の使命は、慢性化させないこと
まずは下図をみてください。笠井先生オリジナルの片頭痛のメカニズムの患者さんへの説明法です。
登場物
ぬか床=普段はしまっていて臭くはない (CGRPを収めている三叉神経終末はおとなしくしている)
蓋が開く=臭いにおいが部屋に充満する (CGRPが放出され炎症がおこると片頭痛が発症する)
トリプタン製剤=蓋をしめる薬 (蓋をしめるタイミングがおくれるとなかなか片頭痛がなおらない)→早く飲む
次いで、抗CGRP製剤はどう表現されるか、以下をごらんください。
蓋が開かないように石を乗せる=アジョビにより、三叉神経終末からのCGRP放出が抑制される(翌日から頭痛が格段に減ったという意見が多いのもうなづけますね)
実データから見るフレマネズマブ(アジョビ)の有効性
反復性片頭痛(EM):はアジョビにより、1か月目で頭痛日数や支障度が下がり、プラトーに達する(即効性が認められる)
慢性片頭痛(CM):はEM同様即効性を認めるが3か月以降も低下していく=長く改善が得られる
3本打ち:効果がより強く、3か月に1回と来院頻度が下がる(神経治療学41(1) 39-48, 2024)付加給付にてコスパが得られる
アンケートでも71%希望 ((オンライン診療でも3本処方は可能で、少しずつ増えています)日暮情報)
満足度95% 安全性は高い 在宅自己注射可能な場合はオンラインOK
※付加給付とは;高額療養費制度の一つで、保険者によってトータル42900円だったものが、17900円還付されるため、1本8333円に安くなる方法
自己注射は嫌;5% ですが、オートインジェクターは怖くないし、来院頻度は減ります。
コーヒーブレイクと、記念撮影(^_-)-☆