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MCIレベルでの新たな病診連携-レケンビ

ブログ  / 地域連携・その他疾患  / 認知症

エーザイ株式会・Biogen株式会社共催 認知症ネットワークカンファランスin横浜 がありました。セッション1では、東戸塚脳神経外科クリニック 副院長 清水信行先生より、セッション2では、認知症の大家であります、神奈川歯科大学歯学部 臨床先端医学系認知症医科学分野 教授 眞鍋雄太先生でした。主に、クリニックからのレカネマブ(抗Aβ抗体治療薬)導入医療機関への紹介のタイミングや、緻密な診断により効果的な対象を誤らない注意点などお話されました。

清水先生より
脳神経外科クリニックはMRIがあるため、脳外科的treatable dementiaの除外をしている。アルツハイマー型認知症や血管性認知症が割合として多い。認知症医療への地域の窓口としての役割。
MCIでは、遅延再生・視空間失認・ワーキングメモリの障害がみられることが多い。エピソード記憶の問診や、山口式手指模倣試験は感度が高い、MOCAJはMCI検出感度が高い。MMSEはMCI検出感度が低い。

眞鍋先生より
レカネマブは認知症診療のパラダイムシフトといえるが、精緻な診断に基づく適応決定により、ドネペジルにみられたような満足度(価値)を下げないように注意が必要。NeedsとSeedsが異なってしまうことで価値が下がってしまう。
レカネマブの適応は、純粋なアルツハイマー病のみとし、DLB混在は避ける必要がある(アミロイドPET陽性でもRBD点数6点以上や手首固化兆候陽性などは避ける)。タイミングとして、タウが誘導される前に使う必要がある。血管性認知症に関しては、アルツハイマー病に合併するケースも多く、微小出血例以外はOK。レカネマブ治療開始医療機関とクリニックと顔の見える連携を確立していくことが重要。(その意味では、本会で4人で対談できた意義は大きいと思いました)

エーザイ担当より
レカネマブ選択のメリット
・18か月以降の継続投与が可能、長期投与より、より一層進行抑制効果が認められる。
・安全性の高さ(ARIAという副作用は、添付文書に記載されている頻度の1/3程度で実臨床下で推移している)
・アナフィラキシーショックは治験時から1例も起こっいない
・プロトフィブリルをメインターゲットにプロトフィブリルとプラーク(老人斑)の両方を減少(より上流で作用できる)


この記事の執筆者

院長 日暮 雅一 ひぐらし まさかず

院長日暮 雅一 ひぐらし まさかず

略歴

1999年 横浜市立大学医学部 卒業
横浜市内複数の基幹病院で修練
2005年 小田原市立病院 
脳神経外科主任医長
(2005年度 脳神経外科部長代行)
2009年 横浜市立大学大学院医学研究科
脳神経外科助教
(2011年度 脳神経外科教室医局長)
2012年 Australia Macquarie大学留学
医工連携学research fellow
2014年 新緑脳神経外科・
横浜サイバーナイフセンター医長
2016年 ほどがや脳神経外科クリニック開設
2019年 医療法人社団 正念 設立

資格

  • 医学博士(神経薬理学)
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本頭痛学会専門医/指導医
  • 日本脳卒中学会専門医/指導医
  • 日本認知症学会専門医/指導医
  • 認知症サポート医
  • 日本医師会認定産業医
  • 身体障害者福祉法15条指定医(肢体不自由 言語咀嚼)
  • 難病指定医
  • 自立支援指定医療機関(てんかん)

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