アルツハイマーの暴力/易怒性の治し方-レキサルティ
保土ヶ谷区医師会・戸塚区医師会・大塚製薬共催、~専門医とかかりつけ医で考える~「認知症BPSD Web セミナー」がありました。今回は、神奈川区・中区・金沢区の先生方も登壇されております。
アルツハイマー型認知症のケアをしている家族にとって、ちょっとしたことで怒ったり、暴力的になり、疲弊し、断絶してしまう経験している方が、高齢社会になってさらに増えております。抗精神病薬が患者さんのメンタルコントロールには有効でしたが、予後増悪因子の指摘があり、使いづらい状況がつづいておりました。この度、レキサルティがアルツハイマー型認知症に伴う暴言暴力などの陽性BPSDに安全に使用可能として登場したことは、これからの日本社会にとって大きな福音となることと思います。横浜の脳神経内科・脳神経外科の先生方と議論しました。
今回の要点を5個で選定してみました。
①アルツハイマー型認知症にともなうBPSD(上スライド)には、まずは本人の嫌がる環境や人や物を探り、環境から除く(非薬物療法)が大切(BPSDは問題行動ではなく、本人の辛いサインである)。平行してレキサルティを追加する(場合によってはドネペジルなどの抗認知症薬を減らしたり中止したりする)
②レキサルティは、人間の喜怒哀楽に関与する前頭葉皮質・側坐核・線条体のモノアミン(ドパミン セロトニン アドレナリン)を巧妙に調整する。同系統で先行販売されていたエビリファイより受容体親和性が100倍になり、主効果増強・副作用減弱した
③ドパミン受容体D2を適切に刺激し、完全に遮断しないことでジスキネジアや錐体外路症状を軽減するようにつくられているが、レビー小体型認知症やパーキンソン併存している場合は、錐体外路兆候増悪や傾眠や歩行障害の出現に注意(約10%程度に出現)
④緊急性を要する危険なBPSD(自傷他害の恐れ・拒食)は入院加療が必要
⑤早く使用した方が早く改善する
今回はWebのみでしたので、役割者のみで(^_-)-☆