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大阪 富永病院 訪問-エムガルティ/レイボー

ブログ  / 頭痛

日本イーライリリー株式会社主催、Lilly Migraine Web Conferanceがありました。ご講演される竹島多賀夫先生は、大阪の富永病院院長で、日本頭痛学会 代表理事です。Web配信でしたが、会場が大阪の富永病院近くの難波からで、横浜から上洛謁見した感覚です。会は、竹島先生の柔和な雰囲気のもと、とても楽しく頭痛学のリカレント学習ができました。
●竹島先生ご講演
・片頭痛の基本的事項:片頭痛の状態がわるいと労働生産性が低下する 
・ひとつの片頭痛発作は痛みのほか随伴症状(感覚過敏や嘔気)も伴う 
・片頭痛の診断は国際分類ICHD3に従って診断する 
・片頭痛のバリエーションを緊張型頭痛と誤診しないように注意する 
・片頭痛の随伴症状である過敏症は間欠期にもあり発作時は増悪する 
・トリプタン製剤内服のタイミングは「お辞儀テスト」「首振りテスト」で見極める 
・レイボー(ラスミジタン)は随伴症状も改善する 
・CGRP製剤により頭痛が改善してもその分頑張りすぎるとやはり頭痛が増えてくる 
・海外ではCGRP製剤は適応があれば1st lineで使用されるが未だ本邦では従来予防薬観察からはじめなければならない 
・CGRP製剤導入の判断が早いほど改善も早い
●竹島先生活動
・新たに頭痛外来を立ち上げるクリニックなどに富永病院の先生方がサポートして指導する(頭痛教室)
・頭痛ナース養成プラン
・日本頭痛学会発展のための3つの理念の実践: ①Globalization(国際化) ②Branding(価値の向上) ③Diversity(多様性)の重視
・そのほか、多くの片頭痛研究の成果・経過などご紹介された●Discussion
Q片頭痛の発作間欠期の改善のなかでも特に良いと思うことは何ですか?
A頭痛がないときは元気になるためためらっていた予定をいれることができるようになります 発作時も効かなかった薬が効くようになります
QCGRP製剤の正しい止め方はどうお考えですか?
Aまずは3か月使いましょう ぶりかえしを防ぐため1-1.5年は使用することが推奨されます 慢性片頭痛は長期に使用する必要があります
QCGRP製剤は3種類ありますがどう使い分けていますか?
Aどの薬も同等に効果があるためインフォームドコンセントして患者さんに選んでもらっています
Q腕が腫脹する場合はどう対応していますか?
A他剤へのブランドチェンジもありますが、抗アレルギー剤を注射前から内服することで軽減しますし、一時的にステロイド軟膏を使っています

ほか、後席でもたくさんのお話やティップスをうかがいました。

翌日、富永病院にて 菊井祥二先生の頭痛外来/神経内科外来の見学機会をいただきました。明るく丁寧な診療に、自らを省みるよい機会となりました。今回の大阪訪問はとても貴重な機会となり、先生方、Lillyの方々に感謝いたします。

この記事の執筆者

院長 日暮 雅一 ひぐらし まさかず

院長日暮 雅一 ひぐらし まさかず

略歴

1999年 横浜市立大学医学部 卒業
横浜市内複数の基幹病院で修練
2005年 小田原市立病院 
脳神経外科主任医長
(2005年度 脳神経外科部長代行)
2009年 横浜市立大学大学院医学研究科
脳神経外科助教
(2011年度 脳神経外科教室医局長)
2012年 Australia Macquarie大学留学
医工連携学research fellow
2014年 新緑脳神経外科・
横浜サイバーナイフセンター医長
2016年 ほどがや脳神経外科クリニック開設
2019年 医療法人社団 正念 設立

資格

  • 医学博士(神経薬理学)
  • 日本脳神経外科学会専門医
  • 日本頭痛学会専門医/指導医
  • 日本脳卒中学会専門医/指導医
  • 日本認知症学会専門医/指導医
  • 認知症サポート医
  • 日本医師会認定産業医
  • 身体障害者福祉法15条指定医(肢体不自由 言語咀嚼)
  • 難病指定医
  • 自立支援指定医療機関(てんかん)

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